Before (改善前)

上図のような幅が薄いプレス材料の両端面を研削する際には、一般的にマグネット式ロータリー研削盤を用いて効率的に研削加工が施されます。しかし、その際に材料歪み(反り)が大きく発生してしまうため、両端面研削加工を何回も繰り返し行うことによって歪みを取り、ワークの平行度・平面度の精度を出します。

このように何度も両端面研削加工を行えば、加工回数が多くなるので自ずと加工費が高くなり製品単価のコストアップにも繋がってしまいます。

V

After (改善後)

幅が薄いプレス材料の両端面を研削加工する際には、材料にプレステンパー工程を追加することで歪みが少なくなり、研削に必要となる回数も少なくなります。一般的に0.2㎜~0.3㎜の材料歪みが発生するのですが、プレステンパー工程によって材料歪みを0.1㎜以下にできるのです。

その結果、マグネット式ロータリー研削盤を用いて研削を行う回数が削減できるため、トータルでのコストダウンにつながります。

POINT(要約)

プレステンパーとは、プレスしながらテンパー(焼戻し)を行なう方法で、曲がり直しや歪み取りに有効な方法です。工程増によるコストアップにもなりますが、当事例のように両端面の研削加工の工数増加を考慮すると、プレステンパー処理を追加することでコストダウンになるケースもあります。