Before (改善前)

上図のように、外径面を支持し研削加工するワークがあります。外径面には寸法公差12μmとあり、寸法精度を確保するために、外径研削加工は3回実施しています。

外径支持面は、次工程の加工精度を出すための研削加工で、次工程で必要とされているのは、外径寸法のバラツキ及び外径真円度となります。外径寸法規格がある事により外径加工工数が増えて生産能力が低下しています。したがって製品1個当たりのコストアップの要因となっています。

V

After (改善後)

外径面が製品特性上・使用上・次工程の品質に影響を及ぼさないのあれば、上図のように外径寸法公差の緩和を行う事でコストダウンにつなげる事ができます。

外径寸法公差を12μmから一般公差に設計変更し、寸法バラツキを12μmとする事により、従来の外径研削加工3回から外径センタレス研削加工1回への変更ができます。大幅な工数削減となり生産能力が向上します。したがって製品1個当たりのコストダウン繋がります。

POINT(要約)

寸法公差および外径真円度の加工精度を得るために、外径の捨て研削加工を行う部品があります。

しかしながら、外径の寸法・粗さが必要以上に厳しく設定されていると、外径研削加工の回数が増え、製品コストアップの要因となることがあります。量産の研削仕上げ品を検討する際には、寸法公差の設定は考慮したいポイントです。