Before (改善前)

上図のように、外径研削加工を行うΦ10㎜で寸法公差2μmと規格しているワークが有ります。外径公差2μmを出すためには、センターレス研削盤や円筒研削盤等を使用し、プランジカット研削で1個ずつ加工します。したがって、量産品の場合膨大な工数がかかり、加工能力が低下するため、製品1個当たりのコストアップとなっています。

V

After (改善後)

設計上スペックの見直しが可能であれば、上図のように外径研削の加工を行うΦ10mmのワークを、寸法公差10μmに緩和し、相互差は2μmとする事により、製品1個当たりのコストダウンを図る事ができます。

寸法公差10μmの範囲での相互差2μmであれば、センタレススルー研削加工で品質スペックを満たす事ができます。外径研削部品は、相手部品との嵌め合いに関わる事もあり、慎重に検討する必要がありますが、大量生産する部品であるほど、コストメリットは大きく、VA案とし検討する余地が有ります。

POINT(要約)

円筒研削・センタレス研削加工など外径研削加工を行う機械部品は、世の中に数多く出回っています。一般的に安全をみて、外径の寸法公差は厳しめに設定されることが多いですが、研削加工の事情を考慮すると、量産部品ほどスペックダウンによるコストダウン効果が顕著に表れます。